「歪んだ認識の時代において、TRTは現実に基づく代替を提示している」― エルドアン大統領

エルドアン大統領は、トルコの公共放送局TRTを称賛し、TRT WorldやTRT Arabiをはじめとするデジタル・ラジオサービスが、41の言語と方言で世界人口の半数以上に届いていると述べました。

エルドアン大統領は「TRTは我が国を最も優れた形で代表している」と述べました。/ 写真: AA

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、2025年のTRT World・フォーラムで演説し、国営放送局TRTを「責任あるジャーナリズムと文化的影響力の象徴」として称賛しました。

エルドアン大統領は、世界各国のメディア関係者や来賓を前に、TRTが運営する17のテレビチャンネル、17のラジオ局、デジタルアプリケーション、映画、ドキュメンタリー、そして多言語ニュースプラットフォームなど、その幅広い活動を強調しました。

エルドアン大統領は、TRT WorldやTRT Arabiに加え、世界の主要言語によるデジタルニュースサービスを通じて、41の言語・方言でインターネットおよびラジオ放送を行い、世界人口の半数以上にリーチしていると述べました。

「TRTは、我が国を最も的確に代表している」と大統領は語りました。

さらに「メディアによる操作が反射的に行われる時代にあって、TRTは責任ある報道の基盤を拡大している。真実が印象操作に犠牲にされる時代に、TRTは数十億人に現実に基づく代替を提供している」と強調しました。

エルドアン大統領はまた、テレビドラマ分野におけるTRTの主導的役割にも言及し、トルコのドラマ作品が世界中で数十億人の視聴者を魅了していると強調しました。

TRTが制作するドラマは110を超える国と50以上の言語で放送されており、世界各地の人々がトルコ語を学びながら、トルコの歴史、文化、そして国家的・精神的価値観に触れる機会を得ていると述べました。

TRT、家族向けコンテンツの発信を強化

社会問題に言及したレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は、家庭という制度が深刻な脅威にさらされていると警告しました。

「ご存じのとおり、家族は深刻な攻撃を受けています」と述べ、大統領は次のように続けました。

「人間の本性を無視した歪んだ関係や逸脱した風潮、いわゆる“新しい形の結びつき”がデジタルプラットフォームを通じて広められています。ソーシャルメディアはこの堕落の流れに拍車をかけており、女性と男性から成る家族制度の基盤に、まるで爆薬が仕掛けられているような状況です。」

エルドアン大統領は、「自由」という名のもとであらゆる形の不道徳が正当化されている現状を厳しく批判し、「人々が恥じることなく、“いいね”のために自らのプライバシーをさらけ出している」と嘆きました。

さらに大統領は、個人主義よりも国家意識を、利己主義よりも連帯を、仮想的なつながりよりも真の人間関係を重視する作品づくりの重要性を訴え、人間的・道徳的価値を中心に据えた文化発信の必要性を強調しました。

エルドアン大統領は、TRTが伝統的メディアとデジタルプラットフォームの両面で、家族重視で健全なコンテンツの発信に努めていることを高く評価しました。

「TRTが清潔で家族中心の番組を広めようとする取り組みを、私は大いに評価しています」と述べました。

毎年開催されるTRT World・フォーラムは、世界各国の政策立案者、学者、メディア関係者が集い、国際社会が直面する喫緊の課題について議論する場となっています。

今年のテーマは「道徳・正義・国際秩序の改革」であり、より公正で人間中心の世界の実現に向けた対話が交わされています。