トランプ大統領、ロシア・ウクライナ戦争終結に向けた28項目の計画に署名
米国上級官僚は、枠組みが両陣営に安全保障の保証を与えることを目的としていると指摘しました。計画の詳細についてはウクライナにはまだ協議されておらず、ロシアも関連する提案を受け取っていないと伝えられています。
米国のドナルド・トランプ大統領は今週、ロシアとウクライナの戦争終結を目指した28項目の計画を承認したと、政権高官がNBCニュースに明らかにしました。
同高官は、「計画は双方に安全保障上の保証を提供し、持続的な平和の実現に重点を置いている。ウクライナが恒久的な平和を得るために望み、必要としている要素を含んでいる」と説明しました。ただし、計画の詳細については交渉が続いているとして明言を避けました。
また、3人の米政府高官は、和平合意の枠組みはまだウクライナ側に正式提示されていないとNBCニュースに述べています。
ダニエル・ドリスコルアメリカ陸軍長官率いる代表団は水曜日にキエフを訪れ、軍事戦略や技術について協議するとともに、政権による和平プロセス再開の働きかけを支援するという2つの目的を帯びていたと、米高官や欧州当局者、そしてウクライナ政府関係者が伝えました。
ある米政府高官は、この訪問をホワイトハウスによる「和平交渉再開の取り組み」の一環だと説明しています。
一方、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、キエフ訪問後にドリスコル氏とロシア側が会談する予定はないと述べ、今年8月にアラスカ州アンカレッジで行われたトランプ大統領とプーチン大統領の首脳会談以降、目立った進展がないことを示唆しました。
ウクライナ政府関係者や欧州当局者は、ウクライナが今回の和平案の策定には関与していないと述べています。彼らによれば、ウクライナは大まかな構想を知らされただけで、詳細な説明されておらず、意見を求められたこともないといいます。
またウクライナ側は、この提案のタイミングに政治的意図があると見ており、ゼレンスキー政権を揺るがす汚職疑惑と時期が重なることから、クレムリンが弱体化の可能性があるウクライナ指導部を利用しようとしている可能性が高いと指摘している。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は水曜日、最近報じられたウクライナに関する合意について、米国から公式な情報提供はないと述べました。
クレムリンはこれまで、アラスカでの首脳会談以降、プーチン大統領のウクライナ和平に関する立場に変化はないと説明してきました。
米メディア「Axios」によると、先月下旬には米特使スティーブ・ウィトコフ氏がロシアの特使キリル・ドミトリエフ氏とフロリダ州マイアミで会談し、戦争終結に向けた枠組みを協議したとされています。また、報道では、この28項目の米案は、トランプ氏がガザ情勢で合意形成を進めた経験に影響を受けたものだと伝えられています。