カンボジアとタイの国境衝突で死者 両国間の緊張が一段と高まる
タイ陸軍は、カンボジア軍が「タイ領内に向けて発砲した」と発表しました。
11月12日午後、カンボジア北西部バンテイメンチェイ州プレイチャン村で、タイとの国境付近で発生した銃撃戦により、民間人1人が死亡、3人が負傷しました。
両国は互いに責任を主張しており、タイが和平協定を一時停止した直後の衝突として緊張が高まっています。
カンボジア外務省は同日、「タイ軍によるカンボジア民間人への無差別かつ挑発的な発砲を最も強く非難する」との声明を発表しました。
カンボジア外務省は声明の中で、この事件について「カンボジアの主権と領土の一体性を著しく侵害し、国際人道法および国連憲章、ASEAN憲章、東南アジア友好協力条約(TAC)の基本原則に対する重大な違反である」と非難し、タイ政府に正式な抗議を行ったと明らかにしました。
一方、タイ陸軍は「挑発のない発砲」との指摘を否定し、「カンボジア側の兵士がタイ領内に向けて発砲した」と主張しています。
タイ軍が反論
タイ軍は声明で、「部隊は身を隠しつつ、交戦規定に従って必要最小限の武力を行使し、事件を鎮圧し、国家主権を守り、隊員の安全を確保した」と説明しました。
また、アヌティン首相は12日、水曜日の会見で、クアラルンプールで署名された和平協定の証人であるトランプ政権に対し、外務省が説明文書を準備していると明らかにしました。
この衝突は、タイ政府が11日(月)にカンボジアとの和平協定を一時停止した直後に発生しました。これは、国境に接するシーサケット県で地雷が爆発し、タイ兵4人が負傷したことを受けた措置でした。
両国は先月、米国のドナルド・トランプ大統領とマレーシアのアンワル・イブラヒム首相の立ち会いのもと、クアラルンプールで和平協定に署名していました。
また、7月28日には、アンワル首相が主催した三者会談で、数週間にわたる衝突を経て、タイとカンボジアが無条件停戦に合意していました。