トランプ大統領、アジア歴訪へ 外交再始動と不透明な行方

トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を掲げながらも、アジア諸国との経済関係を再構築したい考えです。ただし、中国や北朝鮮をめぐる政策が不透明で、突然の方向転換の可能性も指摘されています。

トランプ政権のアジア戦略は、関税を活用していわゆる「不公正な貿易慣行」を是正するというスタンスに重点を置いてきました。/ 写真: AA / AA

トランプ米大統領は、10月下旬からマレーシア、日本、韓国を訪問する予定です。アジア外交を再び強化する狙いとみられ、関心が高まっています。

今回の訪問は、トランプ氏の第2期政権における初のアジア歴訪となります。彼はすでに在任中に地域の首脳をホワイトハウスに招いてきましたが、他地域で築いてきたような「基盤的な関係」はまだ十分整っていないとの分析もあります。

ワシントンのシンクタンク German Marshall Fund(GMF)のインド太平洋プログラムのマネージングディレクターを務めるボニー・グレイザー 氏は、「今回の訪問は当初から非常に不確実に見える」と述べています。

大統領報道官のアンナ・ケリー 氏は、トランプ氏のアジア訪問について「我が国にとって多くの偉大な合意をもたらす会議や行事に参加します」「注目してください」と語りました。

トランプ政権のアジア戦略は、関税を活用していわゆる「不公正な貿易慣行」を是正するというスタンスに重点を置いてきました。

このアプローチは、米国を最大の輸出市場とする他国にとって大きな警戒材料となっています。

今回の訪問には大きなチャンスが潜んでいます。米国がアジアにおいて再び影響力を見せる場となる可能性があります。

一方で、訪問内容や成果が見えにくく、政策の方向性に不透明さを残す限り、各国には慎重な対応が求められます。