世界的エネルギー危機への懸念高まる中、イランが石油インフラ攻撃を継続
世界の原油のおよそ5分の1が通過するホルムズ海峡周辺で攻撃が相次いでいることから、市場では警戒感が続いています。これらの攻撃は、この重要な航路を脅かすものとなっています。
イスラエルとイランは水曜日未明、互いに攻撃を続けました。テヘランは地域の石油産業への圧力を強める中、ホルムズ海峡で船舶を攻撃し、エネルギー関連インフラも標的にしました。世界的なエネルギー危機への懸念が高まる中、イランはこうした攻撃を継続しています。
イランは、世界の原油のおよそ5分の1がペルシャ湾からインド洋へ輸送される狭い海峡、ホルムズ海峡周辺で船舶の航行を事実上停止させました。また、アメリカとイスラエルに戦争の終結を迫るとともに、世界経済に圧力をかける戦略の一環として、湾岸のアラブ諸国にある油田や製油所も標的にしています。
クウェートは水曜日未明、防空システムが国内上空でイランの無人機8機を撃墜したと発表しました。サウジアラビアも、同国の広大なシェイバ油田に向かっていた無人機5機を迎撃したと明らかにしました。また、アラブ首長国連邦沖のホルムズ海峡では、コンテナ船1隻にミサイルが命中したと報じられています。
2月28日にアメリカとともにイランへの軍事行動を開始したイスラエルは、前日に行われた一連の攻撃の後、新たな攻撃をテヘランに対して開始したと発表しました。地元住民によりますと、これらの攻撃は戦闘開始以来、最も激しいものの一つだったとされています。
さらにイスラエルがヒズボラ関連の標的に対する新たな攻撃を開始したと発表した後、ベイルートやレバノン南部でも爆発音が確認されました。
イラン、イスラエルと湾岸アラブ諸国に多数のミサイルを発射
イスラエルは水曜日未明、イランが国内各地に対して3回の攻撃を行ったについて警告を発しました。テルアビブなどで空襲警報のサイレンが鳴りましたが、これまでのところ死者は報告されていません。
サウジアラビア国防省は、同国東部にあるアメリカとサウジアラビアが共同で使用する重要な軍事施設、プリンス・スルタン空軍基地に向けて発射された弾道ミサイル6発を迎撃・破壊したと発表しました。さらに東部州の主要都市ハファル・アル・バティン上空で、無人機2機も捕捉し撃墜したとしています。
イギリス軍が運営する監視サイトによりますと、イランはホルムズ海峡で、アラブ首長国連邦の最北端に位置するラス・アル=ハイマ首長国沖を航行していたコンテナ船にミサイルを命中させました。
同サイトは「被害の程度は現在のところ不明だが、乗組員が調査を行っている」としています。
アラブ首長国連邦は水曜日未明、同国の防空システムがイランの攻撃を阻止するため稼働していると発表しました。商業と観光の中心地ドバイを抱える同国は、イランの攻撃により6人が死亡し、122人が負傷したと明らかにしました。
またバーレーンは水曜日未明、イランによる攻撃の可能性を警告し、空襲警報のサイレンを鳴らしました。この警告は、前日に首都マナーマの住宅建物がイランの攻撃を受け、29歳の女性1人が死亡、8人が負傷した事件の翌日に出されたものです。
原油価格
原油価格は今週月曜日に記録した高値を大きく下回ったものの、国際指標ブレント原油の価格は、戦闘が始まった水曜日と比べて依然としておよそ20%高い水準にあります。世界各地の消費者はすでにガソリンスタンドでその影響を感じ始めています。
この価格上昇は、戦争によって世界の原油や天然ガスの供給が長期間にわたり妨げられる可能性があるとの懸念から、世界の金融市場にも動揺を広げています。
サウジアラビアの石油大手サウジ・アラムコのアミン・ナセル会長兼CEOは火曜日、石油タンカーがホルムズ海峡を通過できなくなれば「世界経済に深刻な影響を与える可能性がある」と警告しました。
アメリカ軍は火曜日、ホルムズ海峡近くでイランの機雷敷設船16隻を破壊したと主張しました。しかしアメリカのドナルド・トランプ大統領はSNSへの投稿で、専門家が戦争前に懸念していたような、イランが海峡に機雷を設置したという情報は確認されていないと述べました。
今回の戦闘では、レバノンで死亡したおよそ500人に加え、イランは国内で1,300人以上が死亡したと発表しました。一方、イスラエルでは12人が死亡したと報告されています。
アメリカ軍は兵士7人が死亡し、8人が重傷を負いました。
またイギリス外務省によりますと、戦闘開始以降、多くの外国人が湾岸地域から退避しており、その中には4万5千人以上のイギリス人が含まれています。アメリカ国務省は、およそ4万人がアメリカへ帰国したと発表しました。