尖閣諸島周辺で日中が応酬 漁船をめぐり説明がさらに食い違う

中国海警局は、尖閣諸島付近を航行していた日本漁船が「中国領海に入った」として、警告と追尾により退去させたと発表しました。

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日本沿岸警備隊は、早朝に中国沿岸警備船2隻が日本漁船に接近してきたため、これを領海外に追い払ったと報告。中国船の行動を「不当な侵入」とみなした形です。/ 写真: AP / AP

沖縄県・尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺海域で発生した海上の対立をめぐり、日本と中国が互いに矛盾する説明を発表し、緊張が一段と高まっています。中国側は日本漁船が「自国領海に侵入した」と主張し、日本側は中国公船2隻が日本漁船に接近したため退去を求めたと説明しています。

中国海警局は、尖閣諸島周辺を航行していた日本漁船が「釣魚島の領海に不法侵入した」として排除措置を行ったと発表しました。声明では、同諸島が中国固有の領土であるとの立場を繰り返し示し、自国の管轄権を強調しています。

これに対し、日本の海上保安庁は、同日未明に中国海警局の船舶2隻が日本漁船へ異常接近したため、退去を求めたと説明しました。

日本側は、漁船は日本の領海内で操業していたとし、尖閣諸島が日本固有の領土であるという従来の主張をあらためて明確にしています。

両国が示す状況説明は大きく異なり、どちらが先にどのような行動を取ったのかについて合意が見られません。

日本側は周辺海域での中国公船の活動増加を懸念しており、すでに航行が常態化している尖閣諸島周辺では、今回のような接触事例が偶発的衝突のリスクを一段と高める要因となっています。