携帯電話の安全性めぐる習主席の冗談に韓国大統領が笑い
中国の習近平国家主席がスマートフォンの盗聴をめぐって冗談を述べ、韓国のイ・ジェミョン大統領と笑い合う場面がありました。これは習主席の訪問中では珍しい和やかなひとときとなりました。
中国の習近平国家主席は、韓国のイ・ジェミョン大統領にスマートフォンを贈呈した際、「裏口(バックドア)がないか確認してみてください」と冗談を述べました。中国の指導者としては珍しいユーモアで、ソウルでも話題となりました。
この和やかなやり取りは土曜日、慶州で行われたAPEC首脳会議の傍らで両首脳が贈り物を交換した際に見られたもので、習主席にとって約10年ぶりの韓国訪問となりました。
習主席は韓国製ディスプレイを搭載した小米(シャオミ)製のスマートフォン2台をイ・ジェミョン大統領に贈呈しました。これに対し、イ大統領が「通信は安全でしょうか?」と冗談を交えると、習主席は笑いながら端末を指さし、「バックドアがないか確認したほうがいいですよ」と応じました。
第三者による監視を可能にする事前インストール型ソフトウェアを指したこの発言に、場内は笑いと拍手に包まれました。
この短いやり取りは、習主席が冗談を言うこと自体が珍しく、ましてや「スパイ活動」に関する冗談だったことから、週末を通じて大きな報道関心を呼びました。
ソウル新聞は月曜日の見出しで「イ大統領のシャオミ携帯の安全性に関する冗談に、習主席が大笑い」と報じました。
イ・ジェミョン大統領の報道官キム・ナムジュン氏はAFPの取材に対し、この和やかなひとときが、両首脳が2日間にわたる一連の会談を通じて関係を深めたことを象徴していると語りました。
キム報道官は「歓迎式典や贈り物の交換、晩餐会、文化公演などを通じて、両首脳は何度も交流し、個人的な信頼関係を築く機会を持ちました」と述べました。
さらに、「そうした関係性がなければ、あのような冗談は生まれなかったでしょう」と付け加えました。