ロシア、EUの資産差し押さえに「戦争の理由になり得る」と警告
メドベージェフ氏は、EUが凍結されたロシア資産をウクライナ財政支援に充てる案を議論する中、「ブリュッセルには結果が伴う」と警告しております。
メドベージェフ氏は、賠償措置の一環として「ベルギーで凍結されたロシア資産を奪おうとするEUの試みは一線を越える」と警告しました。 / Reuters
ロシアは木曜日、欧州連合(EU)が凍結資産を没収した場合、それを「開戦事由(カサス・ベリ)の一つ」と見なす可能性があるとし、これまでで最も強い警告の一つを発しました。
ロシアの元大統領で現在安全保障会議副議長を務めるドミトリー・メドベージェフ氏は、ロシアのSNS「MAX」への声明で、EUが賠償メカニズムの一環として「ベルギーで凍結されたロシア資産を奪おうとしている」と批判し、それが「越えてはならない一線となる」と警告しました。
メドベージェフ氏は、そのような措置は「特別な意味での開戦事由となり得る」と述べ、「ブリュッセルおよびEU加盟国各国に対して相応の結果を招く」と警告しました。
さらに同氏は、その場合資金の「返還」は法的手続きによるものではなく、「敗れたロシアの敵国が現物で支払う実際の賠償という形になるだろう」と付け加えました。
ベルギー、提案に反対姿勢示す
メドベージェフ氏の発言は、欧州委員会と複数の加盟国が凍結されたロシア中央銀行資産を活用し、ウクライナに1,620億ドル規模の融資を行う案を推進する中で出たものです。
凍結資産の最大の保有国はベルギーで、6月時点で約1,940億ユーロ(2260億ドル)とされており、日本、米国、英国、カナダにも保有分があります。
ベルギーは、資産の大半を保管するブリュッセル拠点の決済機関ユーロクリアが、EUが没収に踏み切った場合にロシアから法的措置を取られたり、評判を損なう可能性があるとして懸念を示しております。