スマホ使用「意識するようになった」約3割 豊明市の時間制限条例に一定の効果

愛知県豊明市は、余暇におけるスマートフォンなどの利用を「1日2時間以内に」と促す全国初の条例を、市議会で可決しました。10月1日に施行されました。

条例の目的の一つである「家庭内の対話促進」については、家族との会話や生活を見直すきっかけになったか尋ねたところ、「はい」と答えた人が39%、「いいえ」が61%となりました。/ 写真: ロイター

愛知県豊明市は、余暇におけるスマートフォンなどの利用を「1日2時間以内」に抑えることを推奨する全国初の条例を、10月1日から施行しました。条例は罰則を伴わず、家庭や学校での自主的な利用抑制を促すことを目的としています。

条例では、小学生には夜9時以降、中学生以上には夜10時以降の使用を控える目安を設け、家庭内での対話や生活習慣の見直しを促す狙いがあります。

市の調査によると、施行後、住民の約3割が「使用時間は変わらないが意識するようになった」と回答。また、家族との会話や生活の見直しに変化があった人は約4割にのぼりました。

一方、平日のスマートフォン平均利用時間は日本人で1日あたり3時間弱とされ、若年層ではさらに長時間利用する傾向があることが調査で分かっています。

市は、この条例を通じて、長時間使用による健康影響や睡眠不足への意識向上も期待しています。実際、睡眠時間の変化について「意識するようになった」と答えた人は約1割でした。

市の担当者は「罰則はないが、多くの市民が条例をきっかけにスマホ利用を見直し、家族の会話も増えている。一定の効果があったと考えている」と話しています。今後も市は、住民アンケートや利用状況の調査を継続し、条例の実効性を検証していく方針です。