オーストラリアが厳かなクリスマスを迎える中、メルボルンでハヌカの標識を掲げた車が火炎瓶で襲撃される

オーストラリアの警察は、メルボルンでハヌカーの標識を掲げた車が放火された事件について、不審火として捜査を進めています。一方、シドニーのボンダイビーチでは、最近発生した銃乱射事件を受け、例年より控えめな雰囲気の中でクリスマスが迎えられています。

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オーストラリア・シドニーのボンダイビーチで、12月14日にハヌカーの祝祭中に発生した銃乱射事件の犠牲者を追悼し、火のないキャンドルが灯されました。 / Reuters

オーストラリアの警察は、木曜日にメルボルンで、ユダヤ教の祭りハヌカを祝う標識を掲げた車が放火されたことを受け、「不審火」として捜査を進めています。

国営放送ABCによると、屋根に「ハッピー・ハヌカ」と書かれた標識が取り付けられていた無人の車は、住宅の車寄せに駐車中に火を付けられ、車体が焼け焦げた様子が確認されました。

ビクトリア州警察は声明で、この車両が木曜日の未明、メルボルン郊外のセントキルダ・イーストで放火されたと明らかにし、「不審火」として扱っているとしています。

また、予防措置として住宅の居住者は一時避難したということです。

警察は、「捜査に協力できる可能性のある人物を特定しており、現在、その行方を追うとともに所在について調べを進めている」と述べました。

オーストラリア当局は、12月14日にシドニーのボンダイビーチで行われていたハヌカーの催しで15人が死亡した銃乱射事件を受け、ヘイトクライムに対する法規制や刑罰の強化を進めています。

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は、車が火炎瓶で襲撃された事件について、「まったく理解を超えている」と非難しました。

また、木曜日に記者団に対し、「このような時期に、いったいどのような邪悪な思想や考えが、人をそのような行動に駆り立てるのか」と述べました。

地元チャバド組織「セントキルダ・チャバド」のラビ、エフィ・ブロック氏はAFPに対し、「神に感謝することに、けが人が出なかった」と語りました。

さらに、2023年10月に始まったイスラエルによるガザでの軍事行動以降、オーストラリアではシナゴーグやユダヤ系施設、車両を標的とした攻撃が相次いでいます。

ボンダイビーチでクリスマス祝賀が静かな雰囲気に

一方、木曜日には、オーストラリアで過去約30年で最悪となった銃乱射事件の影響が続く中、シドニーの名所ボンダイビーチでは、クリスマスの祝賀行事が控えめな雰囲気で行われました。

例年クリスマスの行楽地として知られるボンダイビーチでは、警察が海岸沿いを巡回する中、サンタ帽をかぶった人々を含む数百人が砂浜に集まりました。

英国からの観光客、マーク・コンロイ氏はロイター通信に対し、「悲劇的な出来事であり、皆がそれを尊重し、非常に悲しんでいると思います。ここにいる人々は祝祭のようにビーチに出ていますが、皆の心にはあの出来事があり、敬意を持っています」と語りました。

「誰もが、想像し得る最悪の状況に直面している家族や友人たちのことを思いやっています」と述べました。

ビーチでは、クリスマスツリーのそばで写真を撮る人や、ライフガードと一緒にポーズを取る人の姿が見られましたが、風の強い天候のためか、例年より人出は少なめでした。

「今日はクリスマスとしては天候が良くなく、波も荒れていますが、それでも人々は訪れています」とサーフ・ライフセービング・パトロールのトーマス・ハフ隊長は述べました。

また、警察によると、父子が実行した事件現場近くの文化財指定のボンダイ・パビリオンの外では、半旗が掲げられていました。