韓国前大統領、戒厳令発動を巡り懲役10年に直面

ソウル中央地裁で開かれた尹錫悦(ユン・ソンニョル)被告の裁判の最終弁論で、検察側は懲役10年を求刑しました。

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尹前大統領は、失敗に終わった戒厳令発動を巡り、内乱首謀の罪を含む3件の別の裁判にも直面しています。 / AP

韓国の検察は、2024年に戒厳令を敷こうとしたことに関連する司法妨害などの罪を巡り、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に対して懲役10年を求刑したと、現地メディアが伝えました。

聯合ニュースによると、趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官率いるチームは、金曜日にソウル中央地裁で開かれた尹錫悦前大統領の裁判の最終弁論で、懲役10年を求刑しました。

裁判では、前大統領が1月に捜査当局による身柄拘束を妨げたとされる司法妨害の疑いのほか、戒厳令計画を巡る会合から9人の閣僚を排除して権利を侵害した疑惑や、戒厳令解除後に修正した布告文を作成・破棄したとされる点が主な争点となっています。

尹前大統領は、戒厳令発動の試みが失敗に終わったことに関連し、内乱首謀の罪を含む別の3件の裁判にも直面しています。

司法妨害を巡る裁判が最初に結審する見通しで、判決は1月16日にも言い渡される可能性がある一方、内乱罪を巡る裁判は2月にずれ込む見通しです。

尹錫悦前大統領は1月、内乱首謀の罪で逮捕・起訴され、現職大統領としては韓国で初めて身柄を拘束されました。3月に一度釈放されたものの、7月に再逮捕され、現在も拘束が続いています。

前大統領は4月、憲法裁判所によって正式に罷免されました。