横須賀基地でトランプ米大統領と会談、高市首相が防衛費増額の決意を表明
自衛隊と米軍の指導者として艦艇を視察し、日米間の連携を確認しました。
2025年10月28日、高市早苗首相とトランプ米大統領は、神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地を訪問し、停泊中の米原子力空母「ジョージ・ワシントン」に乗艦しました。両首脳は、日米同盟に基づく安全保障協力を強化する姿勢を国内外に示しました。
艦内での演説で、高市首相は「日本の防衛力を抜本的に強化して、この地域の平和と安定によりいっそう積極的に貢献していく」と強調しました。
また、東アジア情勢について触れ、「今かつてないほど厳しい安保環境に直面している。平和は言葉だけではなく、確固たる決意と行動によってこそ守られる」と述べ、インド太平洋地域の自由で開かれた秩序を維持する決意を示しました。
両首脳がともに艦艇に乗艦するのは、トランプ氏が国賓来日した2019年5月以来で、当時の安倍晋三首相とトランプ氏は海上自衛隊の護衛艦「かが」を視察していました。
今回も、自衛隊と米軍の最高指揮官として防衛の最前線を視察することで、強固な日米協力関係を国内外にアピールする狙いがあります。
「ジョージ・ワシントン」は1992年就役の原子力空母で、全長約330メートル、横幅は75メートル超の世界最大級の艦艇です。2024年11月には同型艦「ロナルド・レーガン」の後継艦として横須賀に再配備されました。
一方、中国は初の空母「遼寧」に続き、2019年に初の国産空母「山東」の運用を開始し、年内就役予定の「福建」を加えて3隻体制を目指しています。
高市政権は、中国の海洋進出や北朝鮮・ロシアの軍事連携に対応し、強い日本の実現を掲げています。
高市首相は、防衛費を国内総生産(GDP)比2%に引き上げる目標の達成時期を前倒しする方針を示しており、国家安全保障戦略、防衛戦略、防衛力整備計画などの安保関連3文書の改定にも取り組んでいます。
これにより、日本の防衛政策は現実的かつ主体的に強化され、日米同盟を基軸とした地域の平和と安定維持に貢献する方針です。