オーストラリア警察、ボンダイビーチの銃撃事件の容疑者を父子と特定
当局によると、現場では父親とみられる容疑者が死亡し、息子は重体の状態で病院に搬送されたということです。
オーストラリア警察は、シドニーのボンダイ・ビーチで発生した致命的な銃撃事件について、容疑者とされる2人の武装した人物は父親と息子であり、捜査当局は他の容疑者を追っていないと発表しました。
ニューサウスウェールズ州警察のマル・ラニヨン警視総監は月曜日、記者団に対し、犯人は50歳の男性とその24歳の息子だと説明しました。父親は現場で警察により射殺され、息子は病院に搬送されており、容体は重篤ではあるものの安定しているということです。
ラニヨン警視総監は、「他の犯人は想定していない。この襲撃は2人によって実行されたと確信している」と述べ、単独または別の共犯者の存在を否定しました。
一方、警察の発表によると、現地からの続報により死者数が増加しました。重体だった負傷者が死亡したことで、犠牲者は15人に増え、負傷者は39人に上っています。これらの人数には、死亡した1人と負傷して拘束された1人の犯人は含まれていません。
ラニヨン警視総監は、父親の容疑者が6丁の登録銃を所有する正式な銃所持許可保持者だったことも明らかにしました。警察は事件現場のほか、ボニーリグおよびキャンプシーの2つの郊外住宅で夜通し捜索を行い、合計6丁の銃器を押収しました。これらが実際に犯行に使用されたかどうかを確認するため、現在も弾道鑑定や法科学的検査が続けられています。
また、公共放送ABCの報道によると、警察は犯人の1人の車両から爆発物の装置も発見したということです。
「真の英雄」
アンソニー・アルバニージー首相はこの攻撃を強く非難し、事件を「テロ行為」と位置づけました。
アルバニージー首相は、「これは、本来であれば喜びに満ちた日のハヌカ初日に、オーストラリアのユダヤ人を狙って行われた攻撃だ。このような憎悪や暴力、そしてテロリズムが、わが国に存在する余地はない」と述べました。
また当局は、攻撃の最中に介入した目撃者の行動を称賛しました。43歳のアフメド・アル・アフメド氏とされる男性が、銃を持った犯人の一人に向かって駆け寄り、武器を奪い取って犯人を退却させた様子が映像に捉えられています。
青果店を営み、2人の子どもの父親でもあるアル・アフメド氏は、腕と手に銃弾を受けて手術を受けており、家族が地元メディアに語ったところによると、現在も入院中だということです。
ニューサウスウェールズ州のクリス・ミンズ州首相は、アル・アフメド氏の行動を「英雄的だ」と評価しました。
ミンズ州首相はアル・アフメド氏について、「彼は本物の英雄ですだ。地域の人々に向けて発砲する武装した男のもとへ一人で向かい、自らの命を顧みずに犯人を制圧し、数え切れないほど多くの命を救った人物だ」と語りました。