ホルムズ海峡の封鎖によって石油輸送が停止したことを受け、イラクは原油輸出のための代替ルートの確保を進めています。関係者によりますと、キルクーク―ジェイハン石油パイプラインを通じたトルコ向け輸出が、数日以内に再開される可能性があるということです。
イラクのハイヤーン・アブドゥルガニー副首相兼石油相は16日の月曜日、進行中の地域紛争による混乱を受け、輸出能力を回復させるため緊急措置を講じていると述べました。
アブドゥルガニー氏は公開したビデオ声明の中で、イラクはOPECの生産枠の下で1日あたり約440万バレルの石油を生産しており、そのうち約340万バレルを輸出していると説明しました。これまで輸出の大半は、バスラ石油ターミナルなど南部の施設を通じて行われていました。
しかし、湾岸地域のエネルギー輸送にとって極めて重要な海上ルートであるホルムズ海峡が閉鎖されたことで、イラクは輸出の停止と生産の大幅な削減を余儀なくされました。
アブドゥルガニー石油相は「現在、石油生産は国内需要を満たすため、1日あたり約150万~160万バレルの水準まで引き下げられている」と述べました。
また、ガソリン、ディーゼル、LPGなどの燃料を供給するため、国内の製油所はフル稼働していると付け加えました。
さらに、エネルギー安全保障を確保するため、緊急備蓄の維持にも努めているとしています。
代替輸出ルートを模索
バグダッド政府は、石油の世界市場への供給を維持するため、複数の代替輸出ルートの検討を進めています。
アブドゥルガニー石油相は、近く石油はキルクーク・パイプラインを通じて、トルコの地中海沿岸にあるジェイハン港へ輸送できる可能性があると述べました。このパイプラインの輸送能力は、1日あたり約20万~25万バレルです。
現在、パイプラインの試験および保守作業はほぼ完了しており、残る約100キロメートル区間で行われている水圧試験も、1週間以内に終了する見通しだと伝えられています。
この路線が稼働すれば、原油はキルクーク油田から直接パイプラインに送られ、イラク・クルド地域政府が管理する地域を通過することなく、トルコへ輸送されることになります。
またイラクは、シリアのバニヤス港を経由した輸送や、ヨルダンのアカバ港へとつながるパイプラインを利用した輸出など、追加の選択肢についても検討しています。
こうした動きは、湾岸地域の衝突が世界のエネルギー供給に与える経済的影響が拡大していることを示しています。世界有数の産油国イラクは、地域の主要な海上輸送ルートが閉鎖される中でも輸出を維持するため、新たな輸送経路を模索しています。










