日本の研究者たちは、火星の衛星の表面から試料を採取し、地球に持ち帰ることを目指す探査機を打ち上げました。
世界初となるこの試みは、太陽系の起源や地球上で生命がどのように誕生したのかを解明する手がかりになると期待されています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)のライブ配信によりますと、無人探査機「火星衛星探査計画(MMX)」を搭載したH3ロケットが、種子島宇宙センターから打ち上げられました。
計画どおりに進めば、探査機は来年8月ごろに火星付近に到達し、火星の衛星フォボスの周回軌道に入る予定です。
MMXは、火星周辺での3年間の探査期間中にフォボスの表面に着陸し、少なくとも10グラムの試料を採取します。
火星圏への初の往復探査となるこの計画には、アメリカやヨーロッパの宇宙機関をはじめ、大学や技術企業などが参加しており、大規模な国際協力のもとで進められています。
「天然の宇宙ステーション」
JAXAは、今回の探査によって、火星の衛星が巨大な天体の衝突によって形成されたのか、それとも火星の重力に捕らえられた小惑星なのかを明らかにしたいとしています。
この謎を解くことで、水星、金星、地球、火星といった地球型惑星で、生命が存在できる環境がどのように生まれたのかを理解する手がかりになると期待されています。
また、JAXAによりますと、今回のミッションでは、フォボスを「天然の宇宙ステーション」として活用できるかどうかも検証します。
将来の有人火星探査に欠かせない往復飛行技術を試験するとともに、火星のもう一つの衛星デイモスの観測も行う予定です。
今回の打ち上げは、火星からの試料回収をめぐる国際競争が激しさを増すなかで行われました。
NASAの火星探査車「パーサヴィアランス」は、2021年から火星の表面で岩石の試料を採取しています。しかし、アメリカのドナルド・トランプ政権は、1月の連邦議会での採決を受け、これらの試料を地球に持ち帰る計画を事実上中止しました。
一方、中国は火星探査計画「天問3号」を2028年ごろに打ち上げ、早ければ2031年にも火星の試料を地球に持ち帰ることを目指しています。



















