世界的緊張の中、金価格が初の4,500ドル超え
地政学的・経済的な不確実性の高まりや、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ期待の強まりを背景に、金と銀が歴史的な高値水準となっています。
世界的緊張の中、金価格が初の4,500ドル超え
世界経済の成長ペース鈍化への懸念を背景に、安全資産への需要が高まっています。 / AP
2025年12月24日

金価格は水曜日、米国とベネズエラの緊張激化への懸念や、米国の追加利下げ観測を背景に、1%余り上昇し、1オンス=4,525.96ドルと過去最高値を更新しました。

最高値を付けた後、金は日本時間午前5時50分(GMT)時点で約4,495.9ドルとなり、年初来で約72%上昇しました。

銀価格も1%超上昇し、1オンス=72.7ドルと歴史的な高水準となりました。過去12カ月間では約144%上昇しています。

世界経済の成長減速への懸念に加え、2026年に米国が追加利下げを行うとの見方が強まり、安全資産への需要が高まっています。特に、今年第3四半期の米国経済成長率が市場予想を上回ったことが、こうした観測を後押ししました。

米国の国内総生産(GDP)は第3四半期に年率換算で4.3%増となり、市場予想を上回るとともに、過去2年で最も高い伸びを記録しました。

米国がベネズエラに関連する石油輸送への監視や取り締まりを強化する中、ワシントンとカラカスの緊張が高まっています。世界の原油供給が混乱する可能性への懸念が広がり、国際情勢の不透明感が一段と強まっています。

トランプ米大統領は、ベネズエラが石油収入を「不法」移民や「麻薬の米国向け輸送」の資金源としていると主張しています。

相場上昇のもう一つの大きな要因として、外貨準備の積み増しを目的に、各国中央銀行が金の購入を進めていることが挙げられます。

情報源:TRT World and Agencies