2025年11月11日
日本政府は、高市早苗首相が台湾有事に関して「戦艦の使用や武力行使を伴う場合、存立危機事態になり得る」と国会で答弁したことに関して、中国側から抗議を受けました。
11日、木原稔官房長官は記者会見で、答弁の趣旨や日本政府の基本的立場について中国側に説明したと明らかにしました。
木原官房長官は会見で、「台湾海峡の平和と安定は日本の安全保障のみならず、国際社会全体の安定にとっても重要です。対話による平和的解決を期待するのが政府の一貫した立場です」と説明しました。
また、10月に行われた日中首脳会談で戦略的互恵関係の推進を確認したことに触れ、「幅広い分野で意思疎通を一層強化し、理解と協力を増やす方針です」と述べています。
首相は7日の衆院予算委員会で、台湾有事に関し「戦艦を使用し、武力行使を伴う場合は存立危機事態になり得る」と述べました。
この答弁を受けて、中国外務省の林剣副報道局長は10日の記者会見で「強烈な不満と断固とした反対」を表明し、日本側に「厳正な申し入れと抗議」を行ったと発表しています。
これに対して首相は、10日の委員会で「最悪のケースを想定した答弁であり、従来の政府方針を変更するものではない」と説明しています。
これにより、政府は外交的緊張の中で、中国側に日本の安全保障政策の趣旨を正確に理解させる努力を強化しています。存立危機事態は、集団的自衛権の行使が可能となる憲法上の条件の一つであり、日本の安全保障政策を巡る重要な概念です。
今回の対応は、台湾海峡を巡る情勢の不透明化に伴う日中関係の緊張を緩和するためのものであり、政府は「従来の基本方針を維持しつつ、対話を通じた平和的解決を目指す」という立場を改めて明確にしました。
情報源:朝日新聞












