2025年12月1日、日本の「流行語・新語大賞」で、首相の高市早苗氏が10月の党代表選勝利演説で発した「働いて、働いて、働いて…まいります」が大賞に選ばれました。「女性首相」もトップワードに入りました。
この発言は、日本社会で長時間労働や過労が問題視されてきた中でのものであり、従来の“働き方改革”の流れからは賛否を呼び起こしました。
受賞の理由について、選考委員会は「近年あまり聞かれなかったような力強い言葉であり、社会の関心を強く惹きつけた」と説明しています。
このように、単なるスローガンではなく、政治的立場や価値観、社会の働き方に関わる大きな議論を含んだ言葉として評価されたのです。
日本では長年、「過労(過労死、長時間残業など)」が社会問題として取り上げられてきました。同時に、「働き方改革」や「ワークライフバランス」という概念が浸透し、労働環境の改善が模索されてきました。
そのような中で、「ワークライフバランスを捨てる」「とにかく働く」というメッセージは、改革の流れに逆行するように受け取られかねません。
高市氏のリーダーとしての姿勢、そして首相就任による「女性首相」という歴史的意味も、この言葉を注目させた要因の一つです。初の女性首相としての期待とともに、経済・外交・安全保障など膨大な課題を抱える日本において、「とにかく働く」という決意表明が、国民やビジネス界に共感や批判を呼び起こしています。
一方で、「長時間労働を美徳化するのでは」「過労問題を助長するのでは」との懸念も根強くあります。
特に若年層や子育て世代の間では、仕事と生活の両立を重視する傾向があり、賛否は世代・属性によって分かれているようです。
また、2025年の流行語トップ10には、他にも「古古古米(こ こ こ まい)」や、全国的に増加した熊による被害に関連して「緊急射殺」「熊による被害」などが選ばれています。「古古古米」は、2021年度に収穫された米を政府が備蓄・放出したことに由来しています。













