フィリピンの裁判所は、フィリピン人を装って市長に就任していた中国籍のアリス・グオ被告と、共犯の7人に対し、人身売買の罪で終身刑を言い渡したと、国家検察当局が明らかにしました。
グオ被告はマニラ北部の町で市長を務めていましたが、木曜日、数百人を脅して詐欺業務を強要し、拷問の恐れのある環境で働かせていた、中国系組織が運営するオンライン賭博拠点を統括していたとして有罪判決が下されました。
複数のオフィスビルや高級ヴィラ、大型プールを備えたこの広大な施設は、2024年3月、ベトナム人労働者が脱走し警察に通報したことをきっかけに一斉捜索が行われました。
現場では、フィリピン人、中国人、ベトナム人、マレーシア人、台湾人、インドネシア人、ルワンダ人などの700人以上が見つかり、さらにグオ被告が同施設を所有する企業の社長を務めていたことを示す書類も押収されたとみられています。
フィリピンのマニラ地方裁判所前で、国家検察官のオリビア・トレヴィラス氏は、被告8人のうち、外国籍の者も含まれるが、全員が終身刑を言い渡されたと述べました。
トレヴィラス氏は「約1年で裁判所は我々に有利な判決を下しました。アリス・グオ被告は他7人の共犯者とともに有罪となり、終身刑が言い渡されました」と述べ、共犯者の名前は守秘義務法により公表しないと述べました。
また、フィリピン反組織犯罪委員会の広報担当者は、記者団に対し、グオ被告と他3人が、施設内での「人身売買の組織運営」に関与していたとして有罪判決を受けたと伝えました。
広報担当者によると、さらに4人が「人身売買行為」に関与したとして有罪となったといいます。
グオ被告(35歳)は、フィリピンから逃亡した後、2024年9月にインドネシア警察によって逮捕されました。
詐欺拠点のあるバンバン町の市長に選出されていたものの、マニラの裁判所は6月、グオ被告が中国籍であるため市長の資格はなかったと判断しました。
中国大使館は木曜日、コメントを求める電話には直ちに応じませんでした。
近年、東南アジアでは越境詐欺産業が急速に拡大しており、関与している詐欺師は数千人に上ると推定されています。
国連の報告によると、2023年に広域で被害に遭った被害者は最大370億ドルに上り、世界的な損失は「さらに大きい」とみられています。
これらの詐欺拠点は、政府規制当局に全国営業許可の権限が与えられた後、前大統領ロドリゴ・ドゥテルテ政権下で急速に拡大しました。
フェルディナンド・マルコス大統領は、グオ事件への国民の怒りが高まる中、2024年にオフショアギャンブルの営業を禁止し、施設で働く外国人の国外退去を命じました。















