2025年11月17日
高市首相の台湾発言を受け、中国政府は国民に日本への留学計画の再考を促しています。安全上のリスクを理由に挙げたこの呼びかけは、日中間の緊張を反映した外交的圧力としての意味合いも持っています。
高市早苗首相は11月7日、国会で「台湾有事」が日本にとって「存立危機事態」に当たり得るとの見解を示し、集団的自衛権の行使可能性にも言及しました。
中国外務省はこの発言を強く批判し、14日には中国国民に対し日本への渡航自粛を呼びかけました。
11月16日、中国教育省は発表文で、日本に留学を予定している学生および現在在日している中国人留学生に対し、「治安情勢に注意し、防犯意識を強めて留学を慎重に検討するよう」求めました。
この大学・留学への警告は、先に出された渡航自粛要請に続く「第2弾」の報復措置とみなされており、中国側は日本との人的・文化的な結びつきを戦略的に制限しようとしているとの見方があります。
中国は、日本国内の治安が「脆弱化している」と訴える一方で、具体的な統計データを公表してはいません。
また、中国外務省は、日本に在住する中国人にも「地域の治安状況を注視し、自らの身を守る態度を強化するよう」注意を促しています。
仮に中国人留学生数や観光客の大幅な減少が起きれば、日本の大学や観光業界にとって深刻なインパクトとなる可能性があります。
実際、野村総合研究所の試算では、訪日中国人の自粛が進むと日本の国内総生産(GDP)が大きく押し下げられるリスクが指摘されています。
中国政府の警告が留学生や旅行者にどの程度影響するかは不透明です。日本側は外交ルートでの対応が求められ、今後の協議や交渉が注目されます。また、人的交流の制約は、両国の理解や信頼関係にも影響を及ぼす可能性があります。
情報源:共同通信












