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高市首相、植田総裁と初会談 経済・金融政策を協議
この会談は、高市首相が政権発足後にリフレ派(金融緩和・積極財政支持派)を重用してきたことを背景に、日銀の金融政策正常化(利上げ)との均衡をどうとるかが注目される重要な場ともなりました。
高市首相、植田総裁と初会談 経済・金融政策を協議
首相は会談に先立ち、経済財政諮問会議で「強い経済成長と安定的な物価上昇の両立」に向けた政策運営の重要性を強調するとともに、植田総裁に対して「定期的な報告」の提出を要請しました。/ 写真: ロイター
2025年11月18日

2025年11月18日、 高市早苗首相は午後、就任後初めて日本銀行の植田和男総裁と首相官邸で会談しました。今回が首相としての公式な単独面談の初めての機会であり、市場では金融政策の行方を巡る政府と日銀の協調強化への関心が高まっています。

会談では、植田総裁が物価と賃金の同時上昇のメカニズムが復活してきていると説明し、「インフレ率が2%で持続的・安定的に着地するよう、金融緩和の度合いを徐々に調整している」と述べました。高市首相はこれを了承し、金融政策への具体的な要請は特に行わなかったとされています。

為替についても議論が行われましたが、具体的な内容は差し控えられました。総裁は、ファンダメンタルズに沿って為替が安定的に推移することが望ましいとした上で、「政府と連携し、為替の動向および経済への影響を注視していきたい」と述べました。

高市首相は、強い経済成長と安定的な物価上昇の両立の重要性を強調し、物価を2%で持続的・安定的に着地させることが「長期的な経済成長にもつながる」と指摘しました。

内閣府が17日に発表した2025年7~9月期の実質GDP速報値は前期比年率1.8%減となり、6四半期ぶりのマイナス成長でした。高市政権は物価高対応を最優先に掲げ、大型の経済対策の策定を進めています。

日銀は10月の金融政策決定会合で政策を据え置きましたが、市場では円安や早期利上げ観測が続いています。18日の外国為替市場では円相場が対ドルで一時155円38銭と2月以来の安値を記録し、新発10年国債利回りは一時1.755%まで上昇しました。

木原稔官房長官は記者会見で、政府と日銀は日銀法4条と2013年の共同声明に基づき「密接に連携し、政策運営に万全を期す」と説明しました。

日銀の金融政策は、政府の経済政策の基本方針と整合的に行われることが法律で定められています。

情報源:NHK