芸術と文化
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京都に新拠点、チームラボが体験型デジタルアートで新たな芸術観を提案
この新しい常設展示は、アートの枠を超え、体験そのものを問い直す試みとして高く評価されています。
京都に新拠点、チームラボが体験型デジタルアートで新たな芸術観を提案
京都に誕生、「teamLab Biovortex Kyoto」で体験型アートを提供 / 写真: AP
2025年11月12日

京都市に新たにオープンしたアート施設「teamLab Biovortex Kyoto」は、観る側と作品の境界を溶かす体験型デジタルアートを提供し、世界中から訪れる観光客の注目を集めています。

「Biovortex」は、チームラボが日本国内で手掛ける最大規模の常設展示で、2025年10月7日に開館しました。10,000平方メートルの会場に50点以上の没入型デジタル作品が展示され、幼児から高齢者まで幅広い層が体験できるよう設計されています。

代表的な作品「Morphing Continuum」では、無数の光球が空間に浮かび、地面から立ち上がった彫刻が空中を漂い、来場者の動きに応じて形を変えます。チームラボ創設者の猪子寿之氏は「観る人と作品が一体となり、境界が曖昧になる。この体験は従来の物質的作品とは異なり、人間の感覚を広げる」と述べています。

訪れたオランダ人観光客ディミトリ・ヴァンコルスタンジェさん(25)は、「目だけでなく全身で没入でき、素晴らしい体験だった」と感想を語りました。

チームラボは2001年にアーティスト、エンジニア、建築家によって設立され、ニューヨーク、シンガポール、ジェッダなど海外でも展示を展開。東京の常設展示「teamLab Planets」は2023年度、単一のアート集団による世界最多来館者数としてギネス記録を樹立しました。

京都での展開は、古都の歴史や文化とデジタル技術を融合させた新しい芸術体験として期待され、国内外の文化観光の魅力向上にも寄与します。来場者数の増加や地域との共生、デジタルアートの持続可能性などの課題にどう向き合うかも注目されます。

情報源:Reuters