自民党の高市早苗総裁は14日、公明党が連立政権から離脱したことを受け、党所属議員に謝罪の意を示しました。
国会内で開かれた議員会合で高市氏は「結果的に連立を維持できなかった責任は私にあります」と述べ、今後の政権運営に向けて党内の結束を呼びかけました。
公明党は10月10日、自民党との約25年にわたる連立関係を解消すると正式に発表しました。背景には、自民党の政治資金問題への対応をめぐる不信感に加え、高市政権が掲げる保守的な政策路線への懸念があるとみられます。
会見で公明党の齋藤鉄夫代表は「現行の連立枠組みでは、公明党の理念や政策を十分に反映できない」と述べ、今後は独自路線を追求する方針を示しました。これにより、自民党は衆参両院で単独過半数を割り込み、政権運営の安定性に不安が広がっています。
高市氏は会合で「自民党は現在、衆参両院で最大の勢力を維持しており、国民と国家の安定のためにも、確かな政権を築くことが重要です」と強調しました。
また、「野党との協力を得るためには、これまでにない柔軟な姿勢で政策を進める必要があります」と述べ、与野党間の連携に前向きな姿勢を示しました。
会合に出席した自民党議員によると、約20人の議員が発言し、多くが公明党の離脱を「やむを得ない判断」と理解を示したということです。高市氏の責任を問う声はほとんどなく、「今後の選挙協力を見据え、公明党に敵対的な態度を取るべきではない」との意見も出ました。
高市氏は「気が引き締まる思いです。これからも選挙で勝ち続けられる政党を目指してまいります」と述べ、協力を呼びかけました。
今回の公明党の離脱は、自民党にとって政権基盤を揺るがす重大な転換点となりました。高市氏は党内の結束を強調し、政策運営では柔軟な対応を重視する姿勢を打ち出しています。
一方、連立崩壊の影響は長期化する可能性があり、国会での法案審議や首相指名選挙をめぐる調整など、政権運営の手腕が問われる局面が続きそうです。