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首相石破茂と李大統領、釜山で最後の首脳会談を実施
会談では、両国の政府間で社会問題に関する協議の場を設けることで合意しました。
首相石破茂と李大統領、釜山で最後の首脳会談を実施
李在明大統領は会談冒頭で、「本日の会談は、韓国と日本が特別な関係を築くための重要な場となるでしょう。地理的な近さに加え、心理的、経済的、文化的、そして安全保障の面でも両国がより緊密になることを期待します」と述べました。/ 写真: AP
2025年9月30日

日本の石破茂首相は火曜日、韓国の李在明大統領と釜山で首脳会談を行いました。今回の会談は、米国のトランプ政権による貿易戦争を背景に、歴史的に対立してきた日韓両国が協力体制を強化するための重要な場となりました。石破首相と李大統領の会談はこれまでに三回行われており、今回が最後の会談となる可能性が高いとされています。

石破首相は、今月初めに自民党総裁および首相を辞任する意向を示しており、与党の選挙敗北を受けた後継者選びの競争が始まっています。会談前に日本で述べたコメントで、石破首相は「両政府の協力や、両国が直面する人口減少などの社会課題について意見交換を楽しみにしています」と述べました。

韓国の国家安全保障担当の魏聖洛(ウィ・ソンラク)氏は、月曜日の記者会見で、今回の首脳会談が「急速に変化する地政学的環境と貿易秩序の中で議論を拡大する場となる」と説明しました。

日韓両国は米国の重要な同盟国であり、主要な貿易パートナーです。しかし、日本の過去の植民地支配に起因する歴史問題により、両国関係は長年にわたり変動してきました。石破首相は戦時中の日本の行動を認め、アジアの被害者に共感を示してきたため、李大統領にとっても関係維持の鍵となる人物です。

両政府は、今回の首脳会談を通じて、高官レベルでの交流と緊密な意思疎通を維持する方針を確認しました。会談後の大きな発表は予定されていませんが、人口問題、地方経済の活性化、人工知能(AI)などの未来志向分野での協力について議論が行われました。

今回の会談は、歴史的背景を踏まえつつ、日韓関係を未来志向で強化する重要な一歩と評価されています。

情報源:AP