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オーストラリア人女性の薬物密輸控訴、東京高裁が棄却
オーストラリア人女性が成田空港で覚醒剤を密輸したとして有罪判決を受けた事件で、高裁が控訴を認めず刑が確定しました。
オーストラリア人女性の薬物密輸控訴、東京高裁が棄却
ネルソンさんは2023年1月3日、成田国際空港で、スーツケースの偽底に隠された覚醒剤約2キログラムを所持していたとして逮捕されました。/ 写真: AP
9時間前

東京高等裁判所は9月25日、オーストラリア・パース出身のドナ・ネルソンさん(59歳)が薬物密輸の有罪判決に対して控訴した件を棄却しました。これにより、千葉地方裁判所が2023年12月に言い渡した懲役6年と罰金100万円の刑が確定しました。

ネルソンさんは2023年1月3日、成田国際空港で、スーツケースの偽底に隠された覚醒剤約2キログラムを所持していたとして逮捕されました。彼女は、オンラインで知り合った男性「ケリー」に頼まれ、結婚を希望していたことから荷物を運んだと主張し、薬物の存在は知らなかったと訴えています。ケリーはナイジェリア人でファッション事業のオーナーと名乗り、ラオス経由で日本に向かうよう指示し、現地でドレスのサンプルを集めるよう依頼しました。しかし、日本で会う予定だった男性は現れませんでした。

裁判長は、ネルソンさんには状況を理解し判断する能力と時間が十分にあり、男性の依頼に疑念を抱くことが可能だったと判断しました。審理中、ネルソンさんは濃紺のスーツ姿で静かに裁判を傍聴し、時折首を振る様子も見られました。判決後、控訴を最高裁に上告するかどうか判断する期限は14日間とされています。

ネルソンさんの娘クリスタル・ヒレールさんは、判決を聞くのは辛かったと述べ、母親がまだ上告の意思を固めていないことを明かしています。「これで終わると思っていたので、とても疲れました」と語り、家族の心情の複雑さが伺えます。

この事件は、オンラインでの出会いが犯罪に巻き込まれるリスクや、国際的な法的手続きの難しさを浮き彫りにしています。

情報源:AP